INTERVIEW
美観だけじゃない。
機能面からも緑化が大切。
千葉道路事務所 千葉外環事業所 千葉(工)施設施工管理課
※平成30年1月現在
漆谷 綾乃
ayano urushitani
造園の完成度が 高速道路の印象を 大きく左右する。
高速道路の建設工事等において、図面通りに木々が植えられているかなど、現場での作業をチェックすることが「造園施工管理」の主な仕事です。細かな工程をひとつひとつ進めていくなかでは、と、実際の現場の状況に応じて調整が必要なことも少なくありません。造園にまつわる幅広い知識はもちろん、各方面の関係者が納得して進められるような調整力や提案力が必要になってきます。多くの人々が協力してつくりあげる高速道路の最後の工程であり、造園は全体の印象を大きく左右する部分でもあるので、使命感も緊張感もひとしおです。
もともと私は、植木屋を営む家で育ち、子どもの頃から花や緑を身近に感じていました。自分も植木職人になりたいと思っていましたが、主に個人宅を手がける家業では経験できない、公共性が高く大規模なNEEの造園技術者の仕事に魅力を感じ、志望しました。入社2年目で経験はまだまだですが、たくさんの人が利用する高速道路の造園に携わることができ、毎日ワクワクしています。「緑がある心地良さを、もっと多くの人に感じてほしい!そういう空間をつくりたい!」という思いを大切に、日々の業務と向き合っています。
植栽した木々を 残すための 取り組みも大切。
造園は植物という生き物を相手にする仕事なので、工事が竣工しても終わりではありません。木々が成長することや、手入れをすることを見越して植えられていて、美観を形成するだけでなく、CO2の吸収・固定といった環境面での機能も果たしています。「なんとなく植えている」わけではないですし、昨今は科学的な裏付けも揃っているので、ずっと木々を残してもらえるよう、存在意義やビジョンをアピールすることも大切だと思います。
その一環として、少しでも高速道路の造園への理解が深まるよう、生態分野の応用的研究を扱う各学会合同で開催されたELR2017名古屋のポスターセッションで発表し、担当するパーキングエリアの造園計画における創意工夫の説明を行ったところ、嬉しいことに、最優秀賞を頂くことが出来ました。
NEEの中で、造園職は20数人のみ。技術職の中でも少数派だからこそ、他の職種の人たちにも造園の重要性を理解してもらえる取り組みに励んでいきたいです。
造園の専門知識を 身につけて成長したい。
今は、東京外環自動車道の千葉区間の造園工事を担当しています。入社してすぐからこれほど大きな仕事を経験するとは考えていなかったので、不安でもあり、楽しみでもあります。
NEEの造園職の中には、葉っぱの味で樹木を覚えている人、木に生えたキノコを見ただけで病気が分かる人もいます。人数が少ないからこそ、それぞれに専門性を持った人がいることが大切。私も自分なりに追求できる分野を見つけ、自分の武器となるような専門知識を身につけたいです。
NEEには、軽量化されたヘルメットや、現場で動きやすい女性用作業着などの導入がされ始めています。また、時短制度や妊娠、出産、育児のガイドブックなど将来のプランが描きやすい取り組みがなされており、私もずっと働き続けたいです。10年後には、結婚や出産、子育てといったライフイベントを一段落させ、一層仕事に励みたいという願望もあります。こちらのプランについても周りの理解を得ながら、ぜひとも実現させたいと思います。